アイテム手帳:跡地

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ぶ厚い本にはオーディオブック。最適な5つの理由と10冊の名著

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 電子コンテンツ関連ということで、今回はオーディオブックについて書きたいと思う。

いまも昔も、ちまたのビジネス雑誌などでは、“経営者に聞いた座右の書ランキング!”、“社会人が読むべき本100選!”といった感じの特集がよく企画されている。

しかし、こういった企画でおすすめされるビジネス書や古典には、えてして分厚いものが多く、「これ、読んでみようかな」と思っても、いざ手に取ってみると、あまりの厚さに躊躇してしまったり、「買ったはいいけど、最初だけ少し読んで、やめちゃった。」なんて人は、結構いるのではないだろうか。

そこで、活用したいのが、オーディオブックである。今回は、そんなオーディオブックが“ぶ厚い本に最適な5つの理由”と”おすすめのぶ厚いオーディオブック10冊”をまとめてみた。

 

オーディオブックが、ぶ厚い本に最適な5つの理由

⒈聞き始める、とっかかりが軽い
さあ読むぞ!と、気合いを入れなくても、再生ボタンひとつで、聞き始めることができる。音声データなので、厚みにひるむことがないのもよいところ。
 
⒉手放しで、ながら聞きができる
歩きながら、運転しながら、料理をつくりながら、何かをしながら、手放しで聞くことができる。無理に時間をつくる必要がなく、日々の行動の中に、自然にとけこませることができる。(自分の場合はゲームのレベル上げをするときによく使う)
 
⒊重い本を持ち歩く必要がない
ぶ厚い本となれば、その重量はそうとうなもの。移動の荷物になるだけでなく、大きな本を開くとなると、読む場所も限られてしまう。しかし、音声データなら持ち運びもたやすく、隙あらばどこでも聞くことができる。
 
⒋声で入ってくる、ストーリーへの没入感
ぶ厚い本というのは、事例を紹介した解説によってページの多くを構成している。表現豊かなナレーターによって、その物語が語られることによって、よりストーリーを楽しめると同時に、情景がイメージしやすくなり、記憶にも残りやすくなるかと思われる。
 
⒌難しい内容に抵抗を感じても、聴き終えることができる
オーディオブックはストップボタンを押さない限り、否が応に再生され続けるため、極論何もしなければ、最後まで聞き終えることができる。「あとでまた聞けばいい」くらいの気持ちで、ラクに聞くのが続けるコツかもしれない。
 
 

おすすめの分厚いオーディオブック10冊

個人的に、オーディオブックの購入サイトとしては、「audiobook.jp」と「amazon audible」をよく使っている。古典から、流行りのものまで幅広く扱われていて、サイトデザインも分かりやすく、とても使いやすい。
 
※読みのスピードは、本によるが、分かりやすさを重視してか、ゆっくりめに読まれている。個人的には倍速版の方が聞きやすく感じる。
 
 
それぞれのサービスは、下の記事で、
詳しく紹介しているので、合わせてどうぞ。
 

www.kiyoichi-t.com

 

  
ストーリーとしての競争戦略 

 

・著者 : 楠木建
・東洋経済新報社
・発売日 : 2010-05-06
・書籍全518ページ、オーディオブック8時間47分(倍速時)

500ページを超えるページ数を使って、豊富な事例を元に、ビジネス戦略における「一貫性」の大切さを説く一冊。戦略の「一部」だけを模倣したとしても、全体のストーリーの中で機能しなければ、逆に、その「一部」が悪影響さえ起こしてしまうと語る。事例のひとつひとつが面白い。

 
経営戦略全史

・著者 : 三谷宏治
・ディスカヴァー・トゥエンティワン
・発売日 : 2013-04-27
・書籍全432ページ、オーディオブック4時間18分(倍速時)

現在まで、約100年の間に登場したあまたの戦略コンセプトを、分かりやすく紹介した経営戦略書。ハーバード・ビジネス・レビュー誌で「ベスト経営書2013第1位」を受賞するなど、一時期、話題の一冊となっていたが、その固いタイトルにおよび腰になっていた人もいるかもしれない。しかし、背景のストーリーをしっかりと語る構成に、人物たちを会話形式で議論させたりと、自分のような初学者にも理解できる工夫をされている。

 
ドラッカー入門 万人のための帝王学を求めて

・著者 : 上田惇生
・ダイヤモンド社
・発売日 : 2006-09-23
・書籍全232ページ、オーディオブック3時間30分(倍速時)
長年、ドラッカーの書籍を翻訳してきた上田惇生さんが、ドラッカーのエッセンスをギュッとまとめた一冊。数多いドラッカー本を前に、手が伸びなかった人に、最初の一冊としてもよいかもしれない。自分は、ほぼ日に掲載された糸井重里さんのインタビューにあった、ドラッカーへの「扉を開けてくれてる」一冊である、とのひとことを見て、読むことを決めた。
〈参考:ほぼ日「はじめてのドラッカー」 http://www.1101.com/drucker/ 〉
 
FREE−〈無料〉からお金を生み出す新戦略

 

・著者 : クリス・アンダーソン
・日本放送出版協会
・発売日 : 2009-11-21
・書籍全352ページ、オーディオブック5時間48分(倍速時)

ビジネスモデルとしては、最近ではあたり前となった「フリーミアム」という考え方を広めた書籍。「フリー」を活用した多くの事例が紹介されているので、モデル自体を常識として知っている人でも、面白く聞けるかと。また、著者のクリスアンダーソンは、アメリカの雑誌『WIRED』で編集長をつとめた人物であるため、文章が分かりやすいのはもちろんこと、ここまで調べるのかと取材力に驚かされる。

  
MAKERSー21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

・著者 : クリス・アンダーソン
・NHK出版
・発売日 : 2012-10-23
・書籍全320ページ、オーディオブック4時間44分(倍速時)
こちらも『フリー』と同じ著者、クリスアンダーソンによって、今度は「モノ作りの未来」について語られた一冊。「ITを活用したモノ作りの変化によって、多額の資金がない個人でさえも、アイデアを現実にすることができるようになった」という主張をもとに、オープンソース方式のデザインや3Dプリンターを活用した事例を多数紹介している。 

 

スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室

・著者 : ケリー・マクゴニガル
・大和書房
・発売日 : 2012-10-18
・書籍344ページ、オーディオブック4時間37分(倍速時)

2013年にビジネス書界隈をにぎわした、モチベーション管理本。最近では文庫版や次回作の登場などによって、また本屋でみかけるようになった。スピリチュアル的な説明はいっさいなく、「人の意思力」について様々な側面から、あくまで科学的な根拠を持って解説されている。心理学、神経科学など、各分野の科学結果をもとに、具体的な行動にまでおとしこまれているからこそ、ここまで話題となっているのだと思う。

 
史上最高のセミナー

史上最高のセミナー

・著者 : マイク・リットマン
・きこ書房
・発売日 : 2006-10-07
・書籍全412ページ、オーディオブック4時間49分(倍速時)

9人の成功者へのインタビューがまとめられた1冊。9人それぞれの言葉で、「成功」と呼ばれるものについての考えと戦略を語っている。複数人から同じテーマを聞くことで、偏った考えに縛られず、広い視点を持てることがひとつのメリットになっているかと思われる。インタビューがもとになっているので、オーディオブックとしても聞きやすい。

 
完訳 7つの習慣

完訳 7つの習慣

・著者 : スティーブン・R・コヴィー
・キングベアー出版
・発売日 : 2013-08-30
・書籍560ページ、オーディオブック9時間54分(倍速時)

ランキングから外れたことを見たことがない不動の名著。小手先のテクニックを紹介した自己啓発本ではなく、「習慣化」することによる自己の成長を突き詰めて考えた、実践の本。※2013年に翻訳が分かりやすく一新されている。

 
ザ・ファシリテーター

ザ・ファシリテーター

・著者 : 森時彦
・ダイヤモンド社
・発売日 : 2004-11-12
・書籍353ページ、オーディオブック4時間6分(倍速時)
「チームで話し合いを進めるうまい段取り方が知りたい」という方へ。物語形式によって、ファシリテーターってなんぞや?からよく分かる内容で、技術的な手法も幅広く知ることができる。今回の10冊の中では唯一、最初から最後まで物語になっている1冊なので、一番聞きやすいかもしれない。

 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

・著者 : 西内啓
・ダイヤモンド社
・発売日 : 2013-01-25
・書籍全320ページ、オーディオブック3時間31分(倍速時)
統計学を学んだことがない人へ、最初の入り口の一冊として。ビッグデータやデータ分析が注目を集める昨今、統計学を少しでも知りたいと考えている方は多いかと。本書はそんな方が一歩、興味を深める入門書として面白く聞ける1冊だと思う。
 
 
〈最後に〉もしよければ、オーディオブックを聴き終えた後、あらためて本を手にとってみてもらいたい。自分の場合は、目次をみた瞬間にサーっと頭の中で、思い出される感覚がある。軽く流し聞きしていたとしても、あーここはそういうことだったのか、ならここはどうなっていたかな、と振り返ることがしばしばなので、ぶ厚い本への抵抗を減らす目的だけでも、まず聞いてみるというのもアリなのかもしれない。