アイテム手帳:跡地

ITやデジタルのアイテムを、暮らしの中で「楽しく」「賢く」使うためのチュートリアル

人の時間も、“価格”を出すことで売り物であると認識してもらえる「行列請負人の頭の中」

中古ゲームソフト店に入り浸って観察していると、ゲームソフトを売りに来た人より、最初はゲームソフトを買いたくて来た人が多いことに気づきました。「ゲームソフトって、売れるんですか?」とお店の人に聞いている子どもが非常に多かったのです。ー第1章 なぜ私は真似で成長できたのか?ー 『行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる (中経出版)』
 
起業家 立川光昭さんの著書「行列請負人の頭の中」より、モノの認識に関するひとこと。 

 

このとき、子どもたちが「ゲームは売れる」と気づいたのは、買い取り価格が書かれたリストが張り出されているのを見つけたからだそうだ。単純に「ゲーム買い取り受け付けます」と、看板を立てるだけでも気づいてもらえるのでは、とも思うが、価格が書いてあるからこそ、「こんなにもらえるなら売ってみようか」と店員に声をかけるのだろう。
 
著者はこれに気づいて、経営していた中古バイク販売店で模倣し、中古販売事業を成功させたのだという。当時、中古バイク業界では、どれだけ儲けが出ているか顧客に分かってしまうのはまずかろうと、買取価格を店舗に出すことに抵抗があったそうだ。しかし、顧客目線で考えれば儲けの額よりも、買い取りの場であるという気づきの方が重要だったのである。
 
最近「BASE」など、個人でネットショップを簡単に作れるサービスを使って、自分の時間を販売する人が増えてきているが、これも同じことが言えるかもしれない。
 
相談できるか分からない人には、「相談しよう」という思いにいたらない。買えるか分からないものは、「買おう」と思わない。明確に「価格」を打ち出すことで、「相談できる」人物であり、「売り物である」と認識してもらえるのだろう。
価格を出すことで儲けが分かり、妬みや嫉妬を少なからず生んでしまうが、自分の時間の価格をおおやけにすることは、そういったメッセージを同時に発信しているのである。
 
行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる

行列請負人の頭の中 大ヒットは「真似」と「組み換え」から生まれる